山内マリコさんの著書「逃亡するガール」が発売される:富山を舞台に描く“新しいシスターフッド”とは?

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山内マリコさんの著書「逃亡するガール」が発売されました。

「ここは退屈迎えにきて」「あのこは貴族」などで知られる彼女が、初めて故郷・富山県を舞台に描く本作は、シスターフッド(女性同士の連帯)というテーマを新たな視点で読み解かせる作品です。

当記事では、本作のあらすじや注目ポイント、ネット上の反応などについて深掘りします。

目次

「逃亡するガール」のあらすじ

優等生・山岸美羽は、富山市のスタバで勉強中に「隠し撮りされている」と書かれたペーパーナプキンを手にします。

助けてくれたのは、制服姿の浜野比奈。

2人は放課後を共にしながら、塾や街なかで居場所を追われる体験を共有します。

家庭に居場所のない美羽と、パパ活を匂わせる比奈、それぞれのリアルな少女像が浮かびあがる中、彼女たちは共に時間と感情を広げていきます。

引用:株式会社 U-NEXT

本作が特別な理由

山内マリコさんはこれまで、地方都市の名前をあえて明記せず普遍的な空気感を重視してきました。

しかし本作では初めて「富山県」を舞台に選び、その土地への親しみと土地特有の空気感を、物語のリアリティに取り込んでいます。

富山の地理や文化的背景は、設定以上に登場人物の心理や行動に影響を与え、作品の独自性を強く印象づけます。

「あえて実名にすることによる作品性」には深い意味があり、地方文学と女性作家としての新しい挑戦と言えるでしょう。

山内マリコさんとは

山内マリコさんは1980年に富山県で生まれ、2008年に「女による女のためのR‑18文学賞」読者賞を受賞し、2012年に短編集「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。

後に「あのこは貴族」「アズミ・ハルコは行方不明」などを発表し、映像化もされ話題となりました。

彼女の作品は、女性の内面に焦点を当てながら“居場所”や“連帯”を丁寧に掘り下げるスタイルが特色です。

特にシスターフッドをベースにした作品群は、女性読者を中心に広く支持されています。

ネット上での反応とレビュー

ネット上では、下記のような意見が寄せられてます。

・「地元・富山の描写が丁寧でリアリティがある」

・「これまでの山内作品とはひと味違う地元愛を感じる」

・「美羽と比奈の関係性が痛みとリアルの塊。シスターフッドの“光”だけでない対比が胸に刺さる」

・「監視と逃避、“居場所のない少女たち”というテーマが、現代社会への警鐘として響いた」

特に「富山県×若年女性」の組み合わせが注目され、県出身者から「応援したくなる」「地元が舞台というだけで親近感が湧く」といった声も多く寄せられています。

まとめ

「逃亡するガール」は、山内マリコさんがキャリアを通じて描いてきたシスターフッドのテーマを、初めて“故郷”を舞台に深化させた注目作です。

富山県というローカルな設定が、物語に強いリアリティと独自性を与えています。

家庭や学校に居場所を見いだせず、誰かとの連帯を求める若者、地方出身の女性、または現代社会の“見えない監視”に息苦しさを感じている全ての読者にとって、深く共感できる1冊でしょう。

ぜひ、山内マリコさんの新たな挑戦として、「逃亡するガール」を手に取ってみてはいかがでしょうか。



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この記事を書いた人

当サイトでは主に富山の話題を扱っています。

筆者は富山県出身&富山県在住。

Bリーグの富山グラウジーズを応援しています。

写真の撮影をしており、撮影の対象は選手やチア、綺麗な風景です。

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